お盆とは

 お盆とは正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)といいます。
苦しんでいる亡者を救うために行われたのが始まりです。

日本に伝来した後は古来の先祖供養の行事と習合し、
先祖供養の行事となりました。
お盆には各地によって独特の風習があり、
ご供養の方法は様々です。

一般的には、迎え火、送り火を焚き、精霊棚
(しょうりょうだな)を作り、食物などを供え、
棚経(たなぎょう)と呼ばれる経を読んでもらいます。

 人が亡くなって初めて迎えるお盆を新盆
(しんぼん、にいぼん、あらぼん)と呼びます。
新盆は故人が初めて 迎えるお盆となります。
そのため、新盆にはより一層丁寧に
心をこめたご供養をします。



お盆の由来

お釈迦様の弟子に神通力(じんつうりき)という
力を得た目連尊者(もくれんそんじゃ)という
人がいました。

ある時、神通力で幼い頃に亡くなった母の姿を
探してみると、苦しんでいる姿が見えました。
驚いている目連に気づいた母が言いました。
「のどが渇いたよ。何か飲み物をおくれ。」
目連が母のところへ水を渡 そうとすると、
母のもとに届く直前に水が炎のようになって
無くなってしまいました。

「お腹が減ったよ。何か食べ物をおくれ。」
目連が食べ物を渡そうとすると、食べ物は
母の口に入る前に燃えだしてしまいました。
「熱い。熱いよ。」母の周りには炎が燃え上がり、
とても苦しそうです。目連は急いでお釈迦様の
ところへ行きました。

「お釈迦様。亡くなった母が
苦しんでいる姿をみました。
優しかった母がなぜそんな苦しみを
受けているのでしょう。」

お釈迦様はいいました。
「目連よ。お前の母はお前には優しかったが、
お前以外の貧しい者や弱い者には優しくなかった。
食べ物がたくさんあっても人に分けず全て
自分達だけのものにしていた。そのため、
食べ物や飲み物がなく絶えず飢えの苦しみを
味わう餓鬼道(がきどう)にいるのだ。」
目連はお釈迦様に相談しました。
「お釈迦様。私は母が苦しんでいることに
耐えられません。どうしたら母を
苦しみから救えるでしょうか。」

お釈迦様は答えられました。
「雨期の修行を終えた修行僧達にご馳走を作り
食べてもらいなさい。そして、その飲食をもって
祖先や父母の供養としなさい。」
お釈迦様の教えの通りに目連が修行僧に飲食を
奉げたところ、食べ物は僧を通じて、
飢えに苦しんでいた餓鬼道の人々に届けられました。
そして、目連の母も飢えの苦しみから
逃れることができました。
これが経典に書かれているお盆の由来です。

お盆の風習は日本人の先祖を大切にする
気持ちと重なり広まっていきました。
目連は一人で母を救おうとしましたが
出来ませんでした。
しかし、お釈迦様の教えに従い
救うことが出来ました。
自分一人で自分の母だけを救おうというのは、
自分の母さえ助かればいいという思いが
あったためうまくいかなかったのかもしれません。

昨今では自分さえよければいいという考えが
多く見受けられるように感じます。
他者を思いやるという気持ちはとても
大切で尊いものです。






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